「省エネ住宅」というと、なんとなくエコで地球にもお財布にも優しいイメージがあるかもしれません。
しかし、一口に省エネ住宅と言っても実はいろいろな種類があり、種類ごとに受けられる優遇制度も違います。ここでは知っているようで知らない省エネ住宅の種類やそれぞれの特徴をご紹介します。
省エネ住宅とは、気密性、断熱性に優れた素材、工法などを用いて住宅性能を上げることで、冷暖房機器の使用エネルギーを抑えられる住宅のことです。冷暖房に頼らなくても夏は涼しく、冬は暖かく生活することができるため、光熱費を抑えることができます。
国としても省エネ住宅を推進しており、建てる際には税制面で様々な優遇を受けられます。住宅の種類によって条件は違いますが、国や地方自治体の補助金を受けることも可能です。
ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギーハウスの略称です。冷暖房や給湯といった消費エネルギーを削減すると同時に、太陽光発電で新たにエネルギーを創り出し、家のエネルギー収支をゼロ以下にする住まいのことを言います。
ZEH住宅のメリットは、冷暖房に頼らず室温を快適に保てること、そして月々の光熱費を安く抑えられることです。太陽光発電で作り出したエネルギーが余った場合は、電力会社に買い取ってもらうことも可能です。また、台風や地震で停電になった際も、太陽光発電や蓄電池を活用すれば電気が使うことができます。
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HEAT20とは、「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称です。2009年に省エネ住宅を日本に広めるため、専門家や研究者が集まって発足されました。H25省エネ基準の達成はもちろんのこと、屋根や外壁・床・窓などの「外皮」と呼ばれる箇所に設定した、独自の断熱基準「外皮性能グレード」を提唱しています。
外皮性能グレードにはG1、G2、G3の3つの基準があり、数字が大きくなるごとに断熱性能が高くなっています。基準は「住む人が本当に健康で快適な生活が送れるか」という観点から作られており、設定されている数値は「省エネ基準」よりも厳しいものです。
長期優良住宅は、長期にわたって安心・快適に住み続けられる家のこと。平成21年にスタートした「長期優良住宅認定制度」の基準をクリアした家が「長期優良住宅」と呼ばれます。
認定基準は、バリアフリー性、可変性、耐震性、省エネルギー性、居住環境、維持保全計画、維持管理・更新の容易性、劣化対策、住戸面積の9項目。基準をクリアして認定を受けることで、住宅ローンの金利優遇や減税などの優遇措置を受けられます。また地震保険料が割引になったり、売却する際に付加価値を付けられたりするなどのメリットがあります。
「低炭素住宅」とは、二酸化炭素の排出を抑えるための対策が取られた、環境に優しい住宅のことです。2012年12月に施行された「都市の低炭素化の促進に関する法律」(エコまち法)で定められた認定基準を満たすと、低炭素住宅として認定されます。
認定を受けると、住宅ローン控除や登録免許税(保存登記・移転登記)の税率優遇などを受けられるメリットがあります。一見、長期優良住宅と似ていますが、低炭素住宅の方が満たすべき基準が少ないため、認定取得のハードルが低いのが特徴です。
性能向上計画認定住宅とは、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」によって建築物のエネルギー消費性能向上計画が認定された住宅のことです。
具体的には、住宅の断熱性能がH28省エネ基準をクリアしていて、かつ住宅内で使用する一次エネルギー消費量が法律で定められた基準から10%以上削減された認定住宅のことを言います。認定低炭素住宅と違い、建設区域の制限や必須項目など規定がない点が特徴です。認定は、都道府県もしくは市区町村が行います。
LCCM住宅とは、ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅の略です。できるだけCO2を抑えながら太陽光発電などで再生可能エネルギーを創出し、建設から廃棄に至るまでの長期間でCO2収支をマイナスにする住宅のことを言います。
ZEH住宅に似ていますが、対象となる期間が長く、削減を目指すCO2量が多いのがLCCM住宅です。ZEHよりも高い水準の省エネ住宅として、国による普及・推進が行われています。断熱性が高く、光熱費が安く済むなど様々なメリットはありますが、建築費用がかなり高額になる点に注意が必要です。
スマートハウスとはIoT(情報技術)でエネルギーを「スマート=賢く」使う住宅のことです。IoTを使って家庭にある家電や創エネ機器、畜エネ機器をネットワークで繋ぎ、家庭内のエネルギー消費量を適切にコントロールすることができます。
スマートハウスはそもそも省エネ住宅であるうえ、IoTが自動で設備をコントロールしてくれるため、より効率的に光熱費を抑えることができます。蓄電池を利用して自家発電した電気をフルに使えば、電気代をゼロにすることも可能です。
パッシブハウスは、ドイツのパッシブハウス研究所が提唱した住宅理念で、最小限のエネルギーと自然エネルギーを生かして快適に過ごせる住宅のことを言います。冷暖房などの設備に頼ることなく、断熱材や高性能な窓、熱ロスの少ない換気システムなどを駆使して、快適な居住環境を実現しています。
パッシブハウスの認定を受けるためには、非常に厳しい基準をクリアしなくてはならないうえ、一般社団法人パッシブハウス・ジャパンに加盟している省エネ建築診断士によって設計監理される必要があるなど、複数の条件があります。このため、正式なパッシブハウスは日本ではまだ多くありません。
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※1:2012年時点。参照元:日高見工務店公式サイト(http://www.hitakamik.com/zero.php)
※2参照:一般社団法人環境共創イニシアチブ(https://sii.or.jp/zeh/builder/search)